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雪氷百選
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北アルプスの立山連峰は, 世界的に見ても有数の多雪地帯に位置している. 中でも山岳観光ルートが整備されている立山室堂(標高2,450m)付近の大谷では, 積雪深が20mとなることもある. 道路の両脇にそびえ立つ雪壁は雪の大谷と呼ばれており, ここから見上げる景色は圧巻である. この雪の大谷は何層にもおよぶ積雪層の積み重ねであり, 冬の気象環境により様々な姿をみることができる. これら季節積雪はやがてすべて融けて, 急峻な大地や河川を経て海へと向かい, ここには凝集された水循環が形成されている. なお, 雪の大谷は山岳観光ルートが開通する毎年4月から見ることができる.
![]() ![]() ![]() ![]() 雪の大谷 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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東京都檜原村(ヒノハラムラ)所在の払沢の滝(ホッサワノタキ)は, 東京で唯一の「日本の滝 百選」に選ばれた名滝です. 滝は落差約60メートルの四段からなり, 最下段の約23メートルの一の滝が冬季1月中旬に氷結します. 最近は完全結氷することはほとんどなく, 写真は2015年2月に撮影したもので, 3日ほど前に山間部に降った雪が積もって凍りついた状態です.
![]() ![]() ![]() ![]() 氷結の払沢の滝 (ホッサワノタキ) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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青森県の岩木山には, 日本一数多くの雪形が見られると言われている. 津軽地方, 特に弘前方向から見た岩木山には, 数多くの雪形を見ることができる. その多くは, 4月中旬から5月の中旬にかけてで, それぞれの雪形に対しては, 津軽地方の各地で, コメの苗作りやリンゴの開花時期, 田植えの等の農作業に関する言い伝えが残っている.
![]() ![]() ![]() ![]() 岩木山の雪形 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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飛騨山脈立山連峰から派生する大日連峰の主峰である奥大日岳には, 厳冬期, 日本海からの季節風によって, 山稜の北東側斜面に巨大な雪庇が出現する. 急峻な地形と強風が作り出すもので, 例年20mから30m, 最大で40m以上も張り出し, 我が国で最大級の雪庇となる.
![]() ![]() ![]() ![]() 奥大日岳の巨大雪庇(富山県立山町) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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新潟県新潟市の角田山(482m)小浜コース登山道の岩場に出現する15mほどの氷ばく. 越後七浦シーサイドラインに面しており車窓からも眺められる. 毎年1月下旬から数日間見ることができる. 一日のうちでは早朝に限る. 日中は半分くらい溶ける場合もある. 寒波が厳しい時はアイスクライミングができるほど氷が発達するが今年は残念ながら貧弱に終わった. 年々, 氷は貧弱になっているのを実感する. 今年もアイスクライミングはできなかった.
![]() ![]() ![]() ![]() 数日しか現れない日本海に面した氷ばく ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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秋田県の森吉山(秋田県上小阿仁村の付近!?)の樹氷です. 樹氷と言えば, 蔵王が有名ですが, 当地でも標高1400メートルの北西の斜面に植生するアオモリトドマツに過冷却水を含む風があたると, 樹氷(アオモリドトマツの防寒着)ができるそうです. 私は門外漢なのでよくわかりませんが, かつてはマタギが住んでいた場所かと思います. 秋田大学に在職していた時にスキーに出かけて知りました.
![]() ![]() ![]() ![]() 樹氷 阿仁スキー場 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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最低気温がマイナス10〜20°Cに達する厳冬期の信州, 木曽御嶽山麓の西野川右岸の崖上や壁面から染み出す地下水が凍結し, 巨大な氷のカーテンが出現する. 年により高さ約50m, 幅約250mにも達する青白い氷柱が氷河のような自然の造形を見せ, 奇観であるとともに壮大な眺めである.
![]() ![]() ![]() ![]() 白川氷柱群(長野県木曽町井原) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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日本にも, 最終氷期には日本アルプスや日高山脈に約400もの氷河が発達したが,間氷期の現在、 氷河は現存しないと考えられてきた. ところが, 電波で氷厚を測るアイスレーダーや高精度GPSなど新しい機器を使った観測が, 2009年頃から立山連峰の多年性雪渓で行われるようになり, 幾つかの多年性雪渓は, 流動する氷体をもつ「氷河」であることが分かった. 現在, 「氷河」として学術的に認められているのは, 立山の御前沢雪渓, 剱岳の三ノ窓雪渓・小窓雪渓で, 最大の「氷河」である三ノ窓雪渓は, 厚さ70 m、 長さ1200 mに達する氷体をもち, 1ヶ月あたり約30 cm流動している. 従来, 極東地域では, カムチャツカが氷河分布の南限と考えられてきたが, 今後は立山連峰が南限となる.
![]() ![]() ![]() ![]() 立山・剱岳の現存する氷河 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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新庄—小牛田間を結ぶ陸羽東線は, 1917(大正6)年11月に開通しましたが, その翌冬は新潟県三俣集落と山形県大鳥鉱山で, 我が国で犠牲者数1, 2位となる大雪崩が発生した年でもありました. 陸羽東線でも多数の雪崩により不通が相次いだことにより, 雪崩防護工の設置が順次進められました. 大正年代の雪崩防護工が未だにその役目を果たしているのは貴重です(2004年12月23日撮影).
![]() ![]() ![]() ![]() 陸羽東線の歴史的雪崩防護壁 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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新庄—小牛田間を結ぶ陸羽東線は, 1917(大正6)年に開通しましたが, 翌冬, 猛吹雪により堺田駅で機関車が閉じ込められ3日間不通になりました. この冬の除雪人夫数は延べ21575人にもなったとのこと. このため, 直ちに防雪林(樹高平均0.45m)の設置が開始され, 1924(大正13)年には樹高平均4.24mにまで成長し, 除雪人夫数を大幅に減らすことができました. 現在は無人駅(2004年12月23日撮影).
![]() ![]() ![]() ![]() 陸羽東線堺田駅の防雪林 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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